代表者インタビュー

創業パートナーが語る内田・鮫島法律事務所とはなにか?

弁護士法人内田・鮫島法律事務所 写真

事務所の概要、コンセプトを教えてください

内田公志弁護士インタビュー
内田
いちばんの特徴は知財・技術に非常に強いこと。そして、単純な法律サービスだけではなく、ビジネス展開のための戦略的サポートができる事です。技術が武器の企業が、その技術を経営戦略に生かす際に、弁護士としてサポートしていくことを目指しています。
鮫島
「技術法務」という言葉は私が2004年の論文の中で初めて使った言葉で、技術系のビジネスで生じる契約関係、知財戦略、紛争等の法務に関する事項を事業戦略的な視点をもってボーダレスに扱うという意味です。「技術法務」の手法について実務を通して確立させた考え方を、「技術法務のススメ」という2014年に出版した著書で発表しました。3年を経た現在、「技術法務」という言葉は広く使われるようになりました。「技術法務で日本の競争力に貢献することが、私たちの経営理念です。

創設時の思いや目的を教えてください

内田
私たちは同じ法律事務所の勤務弁護士として巡り合いました。従来の大手法律事務所は、現役で大学や司法試験を通ってきた、若くて優秀な弁護士を採用したがるのが常でしたが、私たちが在籍していた松尾事務所は、回り道をして来た人間にもチャンスを与える事務所で、我々もそこに共感し、松尾弁護士を尊敬していました。二人で事務所を立ち上げた時、我々も夢と勇気のある人にチャンスを与えられる法律事務所を作りたいと考えていました。
一般的な法律事務所は訴訟をやるのが基本的な業務ですが、企業での勤務経験が長かった鮫島の「企業は必ずしも訴訟を望んでいない。依頼者が求めているのは戦わずして勝つことだ。」という意見に共感し、より広く法律事務所の役割をとらえました。訴訟の能力が高いことは必須の条件ですが、依頼者を取り巻く状況を踏まえ、ある時には訴訟提起をすることで、またある時には訴訟を回避することで、依頼者の経営戦略を共に考え依頼者の企業価値を最大にする、法律を一つの要素としたビジネスソリューションを提供することを目指しました。
鮫島
私自身が企業を辞めてこの業界に入ったときは、企業などでキャリアを積んだ人間の居場所がない業界だと感じました。これから増えていくであろう、社会人経験をもった弁護士のために、先に走る人間として居場所を作っておきたいという気持ちも創業の動機です。それゆえに、これまで、研究開発や特許の仕事など、社会人として何らかの技術的キャリアを積んだ弁護士を採用してきました。

この法律事務所の強みは

鮫島正洋弁護士インタビュー
鮫島
各弁護士が法律以外の専門性を身に付けているということですね。弁護士資格を持った人間だけで、ライフサイエンス・化学・材料・機械・自動車・電気・ITなどの広い技術分野をカバーしている、日本で唯一の法律事務所です。
単に訴訟をするということでなく、ビジネスに対するトータルソリューションを提供するというスタンスが他の法律事務所にはない強みです。それが出来るのは、各弁護士に社会人経験があるからであり、また、リスクを負って真剣に事業を展開している企業の皆さんと日々接することで、我々も磨かれているからです。
内田
依頼者の事業目的に寄り添って戦略を考えることです。日本の社会では弁護士が少なく、さらに技術が分かる弁護士はあまりにも少ないので、技術を企業価値の中核に置く企業とともに、技術が分かる法律家として、企業の事業戦略を依頼者と共に考えることのできる弁護士が不足しているのが現実です。私たちはそのような能力がある弁護士を集め、あるいは育てて、技術分野への対応力をはっきり示したことで、メーカー系の企業にとってインパクトのある、使い勝手の良い法律事務所になったと考えています。

これからの社会の中で、この法律事務所が果たす役割は

鮫島
近年、日本の競争力の担い手として中小・ベンチャー企業への期待が高まっています。私たちの事務所でも中小・ベンチャー企業からコンサルティングを依頼されるケースが増えています。例えば、今注目されているIoTの流れの中で、どういう特許を取り、それをどう活用すれば良いのか、というようなテーマです。特許を持っていること自体が、技術管理能力があることや経営効率の良い会社であることのアピールになるので、資金調達などにも有利に働きます。技術と特許をアピールして広くビジネスに生かすコンサルティング業務には多くのニーズがあります。
私たちが取り扱う分野は物作り系や、ITサービス系などに分けられますが、最近、その中でより専門に特化する弁護士も出てきました。一人ひとりの弁護士が競争力をつけることが、顧客の利益にもつながります。その環境を整えることが私たち経営者の役割だと思っています。

この事務所の中小・ベンチャー企業に対する業務の具体的なイメージは

弁護士法人内田・鮫島法律事務所写真
鮫島
中小・ベンチャー企業には法務部・知財部のような部署はありませんが、その機能は絶対に必要です。しかし知財と法務の二人を採用したら、年間、少なくとも1000万円はかかってしまいます。それをアウトソースで代行するのが我々のサービイメージです。月々10万円の顧問料を払っても年間120万円ですみます。人を雇用すれば当たりはずれもあるし、教育するのも難しい。それ対して、我々はプロですから、一流と言われる企業の法務部・知財部に比肩する実力を有しています。それを120万円で活用できるなら、こんな良い話はないでしょう。
内田
通常の弁護士が考える特許業務といえば特許訴訟で、弁理士が考えるのは特許出願です。しかし、特許が果たしている重要なファンクションは商品・マーケットの囲い込みで、特に、知財部のない中小企業からは、専門家に特許の発掘から関わって欲しいという声が多いのです。どういう商品が今後売れそうで、それに関連するどんな技術が自社にあり、どういう特許を取っておくと特許が機能し、事業でも優位に立てるか。知財部のない中小企業がこれらの流れを全体的に俯瞰するのは難しいことです。技術が分かってコンサルティングが出来る弁護士だから、マーケティングから権利活用まで、一気通貫をサポートできるのです。
鮫島
日本でそれが出来る人材の9割ぐらいはこの事務所に集まっていると自負しています。一貫してそういう人材を集め、一つの視点で育成してきた成果です。

どんな雰囲気の事務所でしょうか

弁護士法人内田・鮫島法律事務所写真
鮫島
飲み会が多いですね。事務所にバーカウンターとワインセラーがあって、従業員は終業後、自由に飲んで良いことになってます。卓球大会などのイベントもあるし、年中行事はたくさんあります。春は卒業するアルバイト大学生の送別会、お花見、夏は屋形船。これは家族イベントで子供同士が仲良くなったりします。秋は事務所旅行、有志でゴルフ、冬はスキー。これも家族イベントで、子供たちのスキーの上達を見ることが楽しみです。
要するに「良く働き、良く遊べ」が基本なんです。プロとしての仕事が完成するまでは帰ったり遊んだりするな、でも、やるべき仕事が終わったらつきあい残業もないし、帰っても、酒を飲みに行ってもいい。親睦行事が多いのは、良い仕事をするためには事務所内のコミュニケーションが重要だと考えるからです。長い時間を過ごす職場がつまらなかったら人生の価値(QOL)まで下がってしまいます。事務所の競争力を付けるためですから、私も率先して参加してポケットマネーを出します。こういう遊びの部分も経営の重要な一環と考えています。

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趣味や休日の過ごし方を教えてください

鮫島
ずっと働きづめだったので、その質問には困っていましたが、今になって振り返ると意外に趣味があることに気付きました。もともと美味い物を食べるのが好きなので、自分で作ってみたら家族に喜ばれ、料理ができるようになりました。健康のためのヨガも10年以上続けています。昨年、10数年ぶりにゴルフやってみたら、若い頃には見えなかった面白さに気づいて‥将来は家族でゴルフコースを回るのが夢です。
内田
私も料理は好きで普段からしています。ホームパーティーもします。ワインは200本ぐらいあるかな。パーティーのように人数が多い時は、たくさんの種類が飲めるから良いんですよ。
仕事だけしていたら体重が増えてしまったので、ウォーキングを始めました。土日で15〜16キロ、2時間半ぐらい。効果があって、ある程度体重が落ちたので、継続しています。

今後の目標は

鮫島
シリコンバレーの創成期にウィルソン・ソンシーニという法律事務所があって、ベンチャー企業の知財戦略を一手に引き受け、アメリカの競争力を作り出したと言われています。ソニーやホンダも50年前はベンチャー企業でした。今、スタートアップの企業も、50年後には日本の冠たる企業になる可能性があるのです。そういう企業の成長のお手伝いをやっていきたい。50年後に、あの時代に内田・鮫島という法律事務所があったから、今の日本の競争力があるのだといわれるような法律事務所でありたいと思っています。そのためには、技量的にも人格的にも理念的にも一流の弁護士を育成する必要がある。今のチャレンジはこの事務所で何人のそういう弁護士を輩出できるか。そのための環境を作り出すことが経営者としての役割だと強く意識しています。
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