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代表インタビュー【技術法務とはどうあるべきか】

         

なぜ技術法務なのか

法律事務所 在籍時代

鮫島正洋 弁護士/弁理士

鮫島 私と内田は、松尾綜合法律事務所に在籍していました。内田は技術系ではないけれど技術が大好きで、私は技術のバックグラウンドがあったこともあり、酒を飲みながらいろいろな話をしたものです。

内田 お互いメーカーのクライアントが多かったんですよ。私は企業の財務問題や倒産処理などの企業法務全般を担当し、鮫島は弁理士の実務経験を生かして知財に特化した法律問題を担当していました。

鮫島 そんな折、技術に特化した弁護士集団があってもいいのではないかという話になり、「法律・ビジネス・テクノロジーの融合」をコンセプトに、2004年、内田・鮫島法律事務所を設立しました。このコンセプトが、今でいう「技術法務」の原形なのです。ちなみに、この「技術法務」という言葉は、私が2004年に執筆した論文で世の中に最初に登場したと自負しています。

内田 リーマンショック以降、大手の法律事務所も知財を手がけるようになってきましたが、知財訴訟が中心です。技術系の企業に標準を合わせて、その競争力を向上させるための実戦的な技術法務サービスを提供していこうという法律事務所はほとんど存在しないのではないでしょうか。

鮫島 当事務所(USLF)では、理系大学出身者、エンジニア、研究者としての経験を有する弁護士を積極的に採用し、技術法務、コンサルティング法務を行っています。私自身、技術者として金属材料開発にかかわり、弁理士資格取得後にメーカーの知財部を経験して、弁護士の資格を取得しました。USLFには、同じように、弁理士と弁護士、両方の資格・経験を持つ者が、多数、在籍しています。また、2013年1月からパートナーに就任した伊藤は、弁護士になる前はコンサルティング会社でシステム開発を手がけていました。

伊藤 以前、勤めていた会社で、システム開発のトラブルが生じ、弁護士に相談する機会がありました。その際、ITと法律、両方の側面から物事を判断できる専門家の必要性を感じ、ちょうど法科大学院制度が始まったこともあり、弁護士を志すことにしました。サラリーマン経験が長かった私が、弁護士資格を取ったときには、すでに36歳。異色のキャリアを重宝してくれる事務所を探していたところ、USLFの存在を知ったのです。

鮫島 司法試験に合格する前に採用して欲しいと電話をかけてきたので、「そういう電話は受かってからかけてくるものだ」と言ったら、かなり抜群な成績で受かってきたようです(笑)。ちなみに、私もサラリーマンを13年経験した後に、伊藤と同じように36歳で弁護士登録を果たしました。

USLFの技術法務

内田 弁理士の主な仕事は、特許権など知的財産権の申請を代行する特許業務です。特許について審査する審査官は理系のため、弁理士は理系の人が理系の人に話すような文章を書きます。しかし、理科系ではない裁判官が判断する裁判になるとそれだけではすみません。裁判での書面は、理科系の事柄を法律にあてはめて説明しなければならないのです。つまり、専門用語を使って技術者とスムーズに会話ができ、特許庁が何を考えて特許取得を受け入れ、拒絶するのかという弁理士的な側面、さらにそれを裁判官がどう判断するかまで理解できる弁護士的な側面が合わさり、ひとつのビジネスとなるのですが、そのすべてに精通している弁護士はじつは非常に少ないのが実状です。

鮫島 一般的には少ないのですが、USLFにはたくさんいます、そういう人材を集めたので(笑)。弁理士と弁護士が一緒に仕事をしている事務所はほかにもあります。しかし、USLFでは原則として、契約問題も知財問題も企業経験を有する一人の弁護士が担当します。2人以上の専門の違う人が書いた書面と、我々のように2つの専門があるひとりの人間が書いた書面とではやはり質が異なります。
USLFの強み

内田公志 弁護士

内田 エレクトロニクス、機械、化学、素材、IT、バイオなど、USLFでは、あらゆる技術のジャンルに対応することができるのは、我々の大きな強みですね。

鮫島 例えば、システム開発で問題が起こると、まずその会社の法務部の方が来て、その後、システムエンジニアの方から、トラブルの内容とか、検証プロセスとか、いろいろな技術的説明があります。私のようにITの専門的な経験がない者には、彼らの専門用語はまったく理解できません(笑)。しかし、システム開発の経験がある伊藤のような弁護士は、エンジニアと技術用語で会話し、その裏で法律家としての頭脳を駆使して、「瑕疵担保ですね」「債務不履行ですね」などと、その話を即座に法的評価に置き換えることができるわけです。これはまさに技術法務のプロセス論だと思います。

伊藤雅浩 弁護士

伊藤 新しいネットビジネスが法律に適合しているか、適合するにはどう変えていけばいいかなどをお客様に提案するのも、我々がイメージするIT企業向け技術法務のメニューです。前職の経験を生かし、ITの技術やサービスの現場について理解できることをクライアントに喜んでもらえると、やはりうれしいですね。

内田 技術、テクノロジー関連の法律案件を相談すると、技術用語の説明に時間がかかり、かなりのタイムチャージが加算されてしまうという話を耳にすることがありますが、USLFではみな技術的な知識があるので、本質から話をスタートできます。


伊藤 我々も技術の感覚値はあっても、現在の最先端の技術を知っているわけではありませんが、原則として、技術的なリサーチの時間をチャージすることはありません。それは、USLFのポリシーでもありますし、技術法務とはそうあるべきだと感じます。

総合法律事務所としてのUSLF

鮫島 我々は、知財、ITに関する技術法務を処理する際のクオリティには絶対の自信を持っていますし、料金以上の顧客満足度を提供できると自負しています。ちなみに、USLFは知財や技術に関する法領域及び技術法務を強調しているので皆様に意外と思われるのですが、実は普通の法律事務所でできることはすべて行っています。例えば、契約業務やそこから派生する債務不履行案件のみならず、会社法、労務問題、債権回収に関するアドバイスなどは、弁護士全員が日常的に行っています。そもそも、内田は合併・会社分割・経営統合や破産・民事再生などの会社法の案件に強みを持つ弁護士ですので、USLFでそのような業務を行うことは我々からすればごく当然のことなのです。

内田 会社法、労働法、税法、M&Aなどの幅広い知識が必要となる事業再生、民事再生は、非常にやりがいがあるものです。例えば、事業再生では、会社法や税法がからんだり、ビジネス全般の知識が必要になります。裁判所はどんな書類をどう判断するかなど、訴訟が起きる前の対応、行動、発言などのアドバイスを行う「戦略法務」も大切な業務です。訴訟にならないのがベストですが、訴訟になってしまった際には、訴訟に入った時点で、ある程度、勝負がついている状態になるように準備しておくというのは、USLFのリテラシーでもあります。

鮫島 ビジネスの観点から言えば、「戦わず勝つ」が最善。合理性のある限り、訴訟回避を原則としています。今の時代、私たち弁護士の最大のライバルは、インターネットです。ネットを探せば、あらゆる訴訟の判例を探すことができます。それと同じレベルのことをやっていては、お金は取れません。「あなたのビジネスを法的に分析するとこうなる」で、40点。それを踏まえて、クライアントがより競争力を上げるためのプランを提案して、ようやく60点程度というのが、現在の市場だと私は分析します。そこから、どうやって100点に引き上げていくか、我々のチャレンジはそこにあり、それが「技術法務」のスタイルなのではないかと思っています。

技術法務で日本の競争力に貢献する

鮫島 現在、私たちのクライアントの8割は中小・ベンチャー企業です。多くの中小企業は、予算が潤沢にあるわけではないので、新しい技術を開発しても、10件も、20件も特許を取得するわけにはいきません。そこで、私どもが、申請の数は少なくても効率のいい特許の取り方をアドバイスさせていただきます。

内田 それが、クライアントの競争力の向上にもつながっていくわけです。技術はそれだけでは意味がありません。ビジネスの側面でどれだけ価値があるかという切り口が必要になってきます。どんなに卓越した技術を開発しても、知財戦略がなければ収益には結びつきません。知財戦略及びそれにまつわる法律業務をクライアントの競争力に結びつけていくことは、私たちの大切な使命のひとつです。

鮫島 私たちには社会正義を実現したいという強い思いがあります。社会正義と言うと、人権派の弁護士を思い浮かべる方が多いと思いますが、私どもも技術系の企業との仕事を通し、知識やノウハウを還元することで、企業が発展し、日本社会全体の競争力が向上することで、社会の役に立ちたいと思っています。「この技術を世に出したい」と、夢を持って、日々、技術の開発に励んでいる企業を私たちは心から応援します。
「技術法務で、日本の競争力に貢献する」———それが我々の存在意義だと思っています。